伝統市場: ありふれた日々の観測者

伝統市場は新鮮な野菜がたくさん揃っているので、台北に住む人の生活を支える重要な場所となっています。
伝統市場は新鮮な野菜がたくさん揃っているので、台北に住む人の生活を支える重要な場所となっています。

【文 / Dyann Jiang】

【編集 / 下山敬之】

【写真 / 楊艷萍、Taiwan Scene、劉佳雯、高讚賢】

台湾の伝統の市場といえば様々なお店が所狭しと並び立ち、あちこちで飛び交う店主たちの声が街に活気を与えています。迷路のように続く路地の中で地元客は手早く買い物を済ませ、観光客は珍しい商品に惹かれ右へ左へとお店を行き来します。

中でも屋台で売られている香ばしい料理の数々は人を引きつける力があり、観光客だけでなく現地の人の心さえも魅了してしまいます。例えば、豆腐で作ったプリンの「豆花(ドウホァ)」は親が子供に買ってあげるポピュラーなデザートの一つですが、旧正月時期に帰省した人たちは童心に帰って食べている光景も珍しくありません。また、市場はアットホームな雰囲気があり、道に迷った人に対しても親切に接してくれるので観光客も安心して訪れることができます。

台北は世界的にも発展の著しい都市ですが、その一方で伝統遺産を残し続けるなど近代化とのバランスを絶妙に維持し続けています。ここでは、世界中の人たちを魅了する台北の伝統市場を紹介していきます。

東門市場(ドンメンシューチャン)

中正区信義路二段81号

東門市場はMRT東門駅から徒歩2分という立地なので、台北の市場巡りの出発点として最適です。

この市場は、約100年前の日本統治時代に開設されましたが、当初はいくつかの店の集合体でしかなく、1949年の国共内戦後に中国本土から移民してきた人たちが金山南路の周辺に住み着いたことで地域の中心的な場所となりました。今では有名人がよく訪れるお店も多、「貴族市場」としても知られています。

上質な商品、歴史を感じる雰囲気、そして地域との強い結びつきをもつこの市場は、地元の人々だけでなく、未知の体験を求める観光客も惹きつけています。ここを訪れた際には、つみれや春巻き、今川焼きに似た紅豆餅、さらには中国の伝統料理など市場で売られている最高のグルメを味わってみてください。

東門市場のおすすめグルメ:

御紘福魚丸(ユーホンフーユーワン)

豚肉入りのつみれスープがメインのお店です。滷肉飯(ルーローファン)と一緒にご注文ください。(写真/Taiwan Scene)

中正区臨沂街75巷1号

江記東門豆花(ジャンジードンメンドウホァ)

豆花を売る小さな屋台ですが、人生で一度は食べるべきと言われるほど有名です。(写真/Taiwan Scene)

中正区金山南路一段142巷5号

利隆餅店(リーロンビンディエン)

10年以上に渡り地元の人々に朝食のお店として愛されてきたお店で、牛肉餡餅や葱油餅が絶品です。

中正区信義路二段79巷15號

第二果菜市場(ディアーグォツァイシューチャン)

中山区民族東路336号

台北松山空港から徒歩20分の場所にあるこの市場は、濱江果菜市場とも呼ばれています。名前からは果物や野菜の市場というイメージを持たれがちですが、料理人たちが高級食材を仕入れるために訪れる大規模な卸売市場としても有名です。

食材の仕入れ目的でなければ早朝の屋台に行くのがおすすめで、店主たちも気さくに接してくれますし、おすすめ料理や食材についても教えてくれます。

また、この市場では色彩豊な果物や野菜以外にも鮮度の高い肉類や魚介類も有名です。特に海産物は品数が豊富で、中には名前がわからないようなマイナーな魚も売られています。鮮度の管理には十分注意が払われているので、ぜひ屋台などで新鮮な味を試してみてください。

第二果菜市場付近おすすめグルメ:

安安海鮮(アンアンハイシエン)

お刺身が好きな方におすすめのお店で、一口食べると新鮮な海の風味が口いっぱいに広がります。

中山区民族東路410巷29号

光田製麺(グァンティエンジューミェン)

ほうれん草や紅麹米を練り込んだ特殊な麺が多々あるので、ぜひ一度試してみてください。

中山区龍江路370巷29号

濱江剝骨鵝肉(ビンジャンボーグォアーロウ)

燻した香りと歯ごたえのある皮、柔らかい肉質が特徴のガチョウ肉を売っているお店。

中山区民族東路410巷47号

南門市場(ナンメンシューチャン)

中正区杭州南路二段55号

台北の人の多くは南門市場こそ伝統的な市場と考える人も少なくありません。この市場は歴史が古く、日本統治時代や戦後に食べられていた昔ながらの味が残っているためです。

訪れるお客さんは特定のお店で決まったメニューを頼む人もいますし、台北で唯一本格的な点心料理が食べられる場所と言う人もいます。また、海外の観光客からも人気が高く、特定のお店の味を求めてわざわざやってくる人もいるほど魅力のあるスポットです。

その他にもドライフルーツやジャーキー、中国式ソーセージ、粽子(ちまき)などの食品も有名で、春節や端午節、中秋節などの行事が近づくとそれらの食品を求める人たちで賑わいます。他では手に入らないような珍しい商品もあるので、観光がてら立ち寄るのも面白い場所です。

南門市場のおすすめグルメ:

合歓刀削麺(ホーファンダオシャオミェン)

柔らかい牛肉とコシのある麺のバランスが絶妙で、多くの人を虜にしているお店です。

市場内2階のD13、14ブース

億起吃飯吧(イーチーツーファンバ)

品数は4品と少ないですが、和牛で作られた胡椒餅と常連客が好む蔥油が人気のお店です。

市場内2階のD15ブース

快車肉乾(クァイチャーロウガン)

ジャーキーの専門店で、特にパリパリとした食感の「肉紙(ロウジュー)」が有名です。

住所:市場内1階のB34~38ブース

新富町文化市場(シンフーディンウェンホァシューチャン)

万華区三水街70号

古きよき台北」という印象の強い万華区の龍山寺から5分のところにあるこの市場は台北と同じくらい興味深い歴史があります。

開設されたの1918年で、当時は「緑町(みどりまち)市場」という名称で台湾人と日本人の交流の場となっていました。その後、第二次世界大戦が始まったことで全てのお店が閉鎖されますが、戦後に中国人の移民コミュニティや台湾南部から上京てきた若者たちの手によって再び活気を取り戻しました。

1980年代には大きな変革を迎え、昔ながらの雰囲気を残しつつ新しいアートなどの文化を取り入れた場所として発展し始めます。市場の近くにある三水街という通りでは屋台が立ち並ぶ風景の中に現代の独創的なアートを見ることができるなど、新旧がうまく調和したスポットへと変化しています。

新富町文化市場付近おすすめグルメ:

明日咖啡(ミンリーカーフェイ)

落ち着いた雰囲気と日光が差し込むカフェ。都会の喧騒を忘れてのんびり過ごしたい方におすすめです。

万華区三水街70号

合興八十八亭(ホーシンバーシューバーティン)

日本風の木造建築のお店で、昔ながらのもち米スポンジケーキが多くの人に愛されています。

万華区三水街70号

蘇家肉圓油粿(スージャーロウユェンヨウグォ)

70年続く肉圓の店。弾力のある皮とジューシーな肉団子を新鮮なタケノコで包んだ一品です。

万華区三水街109号

士東市場(シュードンシューチャン)

士林区士東路100号

元々は住宅街だった天母は、1950年に駐留していた米軍の影響を受け、台北で最も異国情緒のある地域へと発展しました。士東市場は最高級デパートやアートセンター、広大な公園が点在する天母の中にあり、他の市場とは違う魅力を放っています。

1992年に開設された比較的新しいこの市場は、エコに力を入れて改修が行われ、現在では最も地球環境に優しい市場となりました。どのあたりがエコなのかというと、太陽光発電システムや雨水貯水設備などが備えられていたり、各お店でリサイクルがしっかりと行われている点です。伝統市場の多くは裏通りに立ち並んでいますが、士東市場はデパートのような施設内にあり、空調と照明が完備されています。さまざまな工夫を行うことで、伝統的な市場も現代のスタイルに最適化できることを示した稀有な例です。

士東市場のおすすめグルメ:

阿吉師(アージーシュー)

海鮮系の日本料理を提供するお店ですが、予算を伝えればそれに合わせた料理を作ってもらえます。

市場内1階の88番

眷村寶飽家常菜飯(ジュエンツンバオバオジャーチャンツァイファン)

家庭の味にこだわっていて、フライドチキンと焼き魚が人気です。

市場内2階の234番

孔明堂(コンミンタン)

孔明堂は甘さを控えた中華菓子のお店で、大根もちや卵黄のケーキ、いちご大福やシュークリームなどが人気です。

市場内1階の23番

相關新聞

伝統市場: ありふれた日々の観測者

台湾の伝統の市場といえば様々なお店が所狭しと並び立ち、あちこちで飛び交う店主たちの声が街に活気を与えています。迷路のように続く路地の中で地元客は手早く買い物を済ませ、観光客は珍しい商品に惹かれ右へ左へとお店を行き来します。

Traditional Markets: Extraordinary Witnesses of Ordinary Times

Rows of vendors squeeze closely side by side as the brisk greetings of shopkeepers comprise a raucous symphony. Regulars who know the maze like the back of their hand shop for groceries swiftly, while tourists and visitors look around with curious eyes like Alice arriving in wonderland. All kinds of street foods send mouth-watering aromas flowing through the air, enchanting every living soul like a magic spell.

Here's the Tea on Taipei's Sickening Drag Scene

Since the Constitutional Court ruling in favor of same-sex marriage, Taipei’s drag scene has been going from strength to strength. Ahead of 2020 Taiwan LGBT Pride, we take a closer look at this fabulously fierce, or as the queens (and kings) themselves call it, “sickening” performance art.

台北のドラァグクイーン 人々を魅了するカフェ

台北では同性婚が認められて以降、台北のドラァグクイーン(女性に扮した男性パフォーマー)の人気はますます高まっています。また、LGBTQI+たちの祭典「台湾プライド(Taiwan Pride)2020」に先立ち、彼女たちのパフォーマンス‧アートについても理解していきましょう。

A Guide to Modern and Contemporary Art Spaces in Taipei

Taipei is often touted as a top food destination in Asia, though it is also an up-and-coming city of the arts, blending the old with the new, classical and experimental, modern and contemporary. The rise of local artists, designers or poets keep amazing art fans with their creative works, forging th

台北の近現代芸術スポット

アジアの中でもグルメの街というイメージが強い台北ですが、近年では芸術の街としても注目を集めています。その立役者となっているのがBaboo、呉書原(ウーシューユェン)、許悔之(シューホイジュー)といった台北出身のアーティストやデザイナー、詩人などで、彼らが生み出すクリエイティブな作品が台北のアートをより親しみやすいものへと変化させています。アート作品の展示場所は台北市立美術館と台北当代芸術館が主ですが、他にも「耿画廊(ゲンホァラン)」や「也趣芸廊(イェチューイーラン)」などのギャラリー、「湿地(シューディ)」や「森 3 Sun Sun Museum」といった展示スペースも増えています。こうした背景から「台北当代芸術博覧会」が開催されるなど、台北のアート業界はかつてない盛り上がりを見せています。

A Time for Family: Your Guide to the Moon Festival in Taiwan

In Taiwan, the Moon Festival, also known as Mid-Autumn Festival (中秋節), falls on the 15th day of the 8th month of the lunar calendar, and this year it will be on Thursday, October 1. While its origins are agricultural — the Moon Festival is an important harvest celebration — nowadays, the most predom

家族と過ごす:台湾の中秋節

台湾では、旧暦8月15日に「中秋節」をお祝いする習慣があり、今年は10月1日(木)がその日にあたります。もともとは農業の収穫を祝う重要な行事でしたが、現在では主に家族が集まる日となっていて、家族で食事に出かける光景をよく目にします。また、この日は一年で最も月が大きく見える日と言われていて、大きな満月が家族の結束と一体感を表す象徴となっています。

The City of Taipei: A Museum Without Walls Five Living Museums — Old and New, Modern and Traditional, Coexisting in Harmony

Taipei is a vibrant metropolis where the first-time visitor immediately notices how old and new, traditional and modern, live in seamless harmony. The people of this city — and island — are renowned for their openness to the world. Yet they also take great pride in their past, and over the past few

台北ボーダーレスミュージアム:5つの「生きた博物館」-新旧、現代と伝統、様々な要素が調和し共存する場所

台北は初めて来た方でもわかるほど、古いものと新しいもの、現代と伝統といった要素が混じり合った場所で す。台湾の中でも特に台北の人たちは、外の世界に対する受容性が高いことで知られていますが、同時に自分たちの歴史に強い誇りも持っており、ここ数十年にわたり、先祖代々受け継がれてきた文化遺産の保存と普及に取り組んできました。台北の街中を歩くと、高く近代的なビル群の中に、丁寧にリノベーションされた建築遺産が並んでいる光景を目にします。

Taipei Through the Ages: The Discovery Center of Taipei

A hundred years after its establishment as a center of administration, Taipei City is still surprising people with its ever-changing cityscape. Sure, the neon lights of the Xinyi shopping district illuminate the lives of the younger generations, but the natural light that shines through the vintage windows of the historical buildings in Dadaocheng remains as fascinating as it’s always been since the 1920s.

台北の歩み:台北探索館

行政都市としての設立100周年を迎えた台北市は、常にその景観を変化させることで人々を驚かせています。信義区にあるショッピング街のネオンは、若い世代の生活を明るく照らしていますが、大稲埕埠頭の歴史的建築物のヴィンテージな窓から差し込む自然光も、1920年代以来変わらない魅力を放っています。

熱門新聞

商品推薦

udn討論區

0 則留言
規範
  • 張貼文章或下標籤,不得有違法或侵害他人權益之言論,違者應自負法律責任。
  • 對於明知不實或過度情緒謾罵之言論,經網友檢舉或本網站發現,聯合新聞網有權逕予刪除文章、停權或解除會員資格。不同意上述規範者,請勿張貼文章。
  • 對於無意義、與本文無關、明知不實、謾罵之標籤,聯合新聞網有權逕予刪除標籤、停權或解除會員資格。不同意上述規範者,請勿下標籤。
  • 凡「暱稱」涉及謾罵、髒話穢言、侵害他人權利,聯合新聞網有權逕予刪除發言文章、停權或解除會員資格。不同意上述規範者,請勿張貼文章。